寒い冬〜思い出す

今日の日記は暗い上長いっす。でも、最後まで読んでくれるとうれしいです。





もう2月なんだよねぇ。この季節には結構思い出があるんだよな…。
昔々、あれからもう8年も経つ。



あの日もこんな寒い日で、下には冷たくなったばあちゃんがいて。
見たこともないおばさん達が僕のばあちゃんに縋って泣いていて。
僕は平然と天ぷらを食べていて。

うん、なにも変わらない

ひどいけどその時、僕は受け入れられなかった。
でも、箱に入れる時なぜか最後な気がして、もう中学生だったのに大泣きして。
いきなりすぎて良く解らなかったけど、あの時はすごく辛かった記憶がある。
今まで近くにいた人がいなくなって、それでも僕は生きなくちゃならない訳で。




恐ろしい事に人間って生き物は悲しい出来事も心の中にしまい込んで忘れる事が出来る、日が経つにつれて俺も忘れていった。
それでも、ずっと連れ添ったじいちゃんだけは忘れられなかったんだろうな。
次の年の3月に僕の腕の中で逝ってしまった。僕は初めて人の命が消えていくのを目の前で見た。

僕はじいちゃんコだったから、色々と思い出してしまった。
KAWASAKIのバイク野郎だったじいちゃんの後ろに乗ってラーメン屋に行った事(あの時は怖くて背中しか見てなかったけど、じいちゃんの革ジャンの匂いが好きだった覚えがある)
クリスマスに事故って血まみれで帰って来た事(服が真っ赤である意味サンタ…笑えねぇ)
酒が大好きで死ぬ時も酒をぶちまけて死んでいった。


いつもケンカしてたけど好きだったな


そんな、じいちゃんとは笑ってサヨナラ出来た。
焼く前に最後に顔見たとき、鼻毛出てて家族みんなで「直してあげなくていいの?でも今更、箱開けらんないよ!」と、じいちゃんらしく最後まで笑わせてくれた。俺も最後くらいはみんなに笑っていてほしいと思う。

あの日は三月の二十九日でほぼ四月だったのに雪がしんしんと降ってて、すごくキレイだった。




ありがとう
大好きだった。






人は嫌な事は忘れていく。それはいい…でも、忘れたくない事も忘れちゃうってのは、神様あんた設計ミスだよ。。。



頭の中で二人の声を思い出してみる。
今日もまだ思い出せる…。


でもすぐに不安になる。いつか忘れちゃうんじゃないか?
その時、俺はホントに大事な物を失ってしまうんじゃないか?
それが本当の『別れ』なんじゃないだろうか??


正直、顔を思い出そうとしても遺影の顔をベースでしか思い出せない自分がいる。





ほんとは辛くて大嫌いな季節なのに、僕はこの冬から春に変わる季節が一番好きだ。

梅艶妙澄清浄信女
ばあちゃんのあの世の名前

桜園道富清浄信士
じいちゃんのあの世の名前

2月と3月にそれぞれ亡くなったから『梅』と『桜』の名前が付けられてるんだけど、この冬から春に変わる季節になると見守られている気がする。




忘れるとか忘れないじゃない、忘れてもしょうがない、また思い出せばいい。写真でも、ビデオでもいい、また記憶に焼き付ければいい。

『思い出せる』たぶんそれだけで十分なんだ。
よね?






今でも仏壇には二つの花の名前が寄り添っている。

もうすぐ梅が咲き始めて暖かくなって桜が咲く。
この季節はいつだって僕にとって背中押してくれる『はじまりの季節』だ。